面白かった漫画のキャラクターを紹介していく②

漂流教室のマンガはドラマと違って生易しくない

漂流教室といえば、楳図かずお先生の書いた奇怪漫画の一つ。

大和小学校にいた全生徒と職員全員が、地球滅亡寸前の未来に学校丸ごとタイムスリップしてしまう話である。

漂流教室 全6巻 完結セット(文庫版)(小学館文庫) [マーケットプレイス コミックセット]

 この漫画をスプラッターものと解釈する読者は多い。

低学年の生徒が

「僕は鳥になるんだ」

と言って屋上から集団自殺したり、

主人公の高松くんとそのライバル大友くんが、

女を巡って殺し合いをしようともする。

そんなわけで小学生が惨殺されるシーンがたくさんある。

学校で唯一生き残った男、給食屋の関谷は

ネット上で頻繁に話題に上がるのでここでは触れないでおく。

大和小学校一の剛者は柴田くんだったと思いたい

柴田くんは大和小学校の建設大臣を務めていた男である。

その風貌は黒の長そでTシャツに白の短パン。

眉毛が濃く、剃りの深い坊主頭である。

タイムスリップに合うことなく無事に育っていたら、

たぶん高校球児をやっていたんじゃないかと思う。

タカ派の大友くんとよく殴り合いのけんかをしていた血気盛んな男。

薬を探しにきた廃病院で薬瓶を割ってしまった大友くんに

「強く握るからだっ！！」と叱責し殴り合う。

未来人類に襲われた際には

一番にシャベルを手に取り迎撃し、一匹撃退。

大友君に

「君もシャベルを手に取って戦うんだっ！」

と奮起を促す。

大友くんに対して高圧的のようにも思えるが、そうでもない。

突然学校に生え始めたお化けキノコを幼児退行した関谷に毒味させると言い出した大友くんに賛同。

大友くんや大月くんとともに

「試行錯誤だッ‼」

と学校中を叫んで回り、その運動に参加したりもした。

このことから、

好き嫌いや人間関係にとらわれない、柔軟な思考の持ち主だったと信じたい。

柴田くんのモチーフはきっと柴田勝家だ！

作中、池垣くんとならぶ猛将だった柴田くん。

たぶん、このモチーフは柴田勝家のはず。

ルイス・フロイスは柴田勝家を

「はなはだ勇将であり、一生を軍事に費やした人」

「彼は禅宗であるが、ほかの宗旨を憎まず」

と評している。

柴田君も学校に怪虫が襲来する際には、

建設大臣として罠を校内に張り巡らせたり、

自分の考えによっては主要メンバーの敵になったり味方になったりもしている。

うん、きっとそうだ。

柴田くんの壮絶な最期

結局、未来人類の２匹目に攻撃をかわされ、

柴田くんの体は真っ二つにされて絶命してしまう。

（瞬時に大友くんがその敵を討っているところあたり、ややバトル漫画っぽい）

ヒロインの川田さんは敵に追われているのにもかかわらず、

しっかりと埋葬してあげていた。

柴田くんの死後、

大和小学校は

高松派と大友派に分裂してしまうっていうんだから

彼の死は物語クライマックスの序章っていう位置づけになっている。