10年ぶりにタイムカプセルを掘りだした話

2005年11月1日。幼馴染の丸山くんが埼玉に引っ越すことになった。
高校一年生だったぼくは、埼玉県が東京からどのくらい遠いのかよく分からず、ひっそりと涙を流した。
もう1人、いつの間にか仲良くなっていた大切な友達、斎藤くんと3人でタイムカプセルを埋めることになった。
あれから10年。僕たちはタイムカプセルを掘り起こすため、自宅に集合した。

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丸山くんがザクザクと掘っていく。

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30分くらい掘ってくれた。太ももがつかるくらいの深さ。

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ガムテープの粘着力は相変わらず。

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1000円のごみ箱を二つ組み合わせて作ったやつだった!

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開封してみると

 

当時の新聞が出てきた。

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フジテレビの番組欄が10年前は真ん中らへんに。

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9月30日の新聞では岡田・阪神のリーグ優勝が。

 

 

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当時の少年マガジン浜田翔子さんの巻頭グラビア。電車の棚網からとってきたやつ。

 

 

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10年土の中で眠ったポケットウイスキー。

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あっ、ゴーゴーアックマン! 僕が埋めたやつ!

 

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夏の大会で背番号をもらっていた野球部の斎藤くん。マネージャーさんが作ったマスコットを埋めていた。一年生だから20番。

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丸山くんの入れたものはお米の袋に包まれていた。

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小学生の頃は習字を習っていた丸山くん。これならいいやみたいな感じで埋めたらしい。

 

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このノートは部屋で見ることにする。

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マル秘ノートを開けてみる。

 

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10年前の自分よ、すまん。今彼女いないんだ……。
DREAM COMES TRUE。 『S』の位置が少しおかしい気もする。

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ビール、本、焼肉、駄菓子、ラーメンを景品に10年後の現在を予想していた。

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表現上問題のある言葉は黒塗りに修正した。斎藤くんは黒塗り0。
日ごろからいかに新聞を読んでいるかがよく分かる予想内容。ぼくは二人に焼肉とビールを御馳走しなければならないのだが、まだしていない。駄菓子もまだもらっていない。
しかし、バスケって何だろう?

 

 

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後ろのページではそれぞれの10年後を予想して似顔絵を書いたり

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座右の銘を書いたり、

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それぞれに向けて手紙を書いたりしていた。


『10年後の自分がどんな人と出会っているのか、どんな別れがあるのか』
10年前、タイムカプセルを埋めるときに考えていた。当時のぼくは自分に自信を持てなかった。学校へ行くのが怖かったり、友達って何なのか分からなくなったりで悲しむこともあった。
ぼくは26歳になった。あのこと比べて知り合いがたくさん増えた。自分の一回り以上の年齢の人とお酒を飲んだり、悲しい別れに声をあげて泣いたりする日が来るとは思ってもいなかった。現在、少しばかり自信を持てるようになったのは、そんな日々のおかげだと思う。

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みんな大好き。