元作文講師がズバリ言うわよ! 夏休み宿題の読書感想文の書き方

今週のお題「読書の夏」

 

こんにちは。

 

夏休みですね。

 

プールから帰ってくる小学生とか見てると、

 

あのころの夏休みを思い出して懐かしくなります。

 

宿題親に任せまくってたな、と。

 

読書感想文は自分で書いてたけど、

「印象に残った場面は○○です。」

「あと○○です」

みたいな感じでダラダラ書きなぐってたな。

 

でもなぁ、

 

「あ、この子適当に書いてるわね……」

って先生に思われてたと思う。

再提出を命じられたこともあったしな。

 

 

読書感想文の書き方について語っていく。

 

1、普通の作文と読書感想文との違い

そんなに違いはないが、難易度で考えると読書感想文のほうが簡単。

 

作文教室でときどき見かけたシーン

「じゃあ今日は、だれかとケンカした体験を書いてくださいねー」

大半の生徒がサラサラと書き出し始める中、

まるで手の動かない生徒が時々いる。

 

「せんせーい、ケンカしたことないので書けませーん」

そんな生徒にはウソを書いてもらうなり、ケンカした体験を思い出してもらうなりして

なんとか書いてもらうのだが、非常に書きにくそうだった。

 

作文の場合は指定されたテーマによって書きやすさの差が激しくなる。

 

読書感想文は自分で本も選べるし書きやすいよね?

心に残ったシーンとかセリフとか登場人物をピックアップして、

それを対比させて自分の体験を書けばいい。

 

たとえば高校野球を舞台にした青春小説で

甲子園でサヨナラ勝ちをしたシーンがあったとする。

 

そうしたらその場面を書いたうえで、

自分自身の逆転勝ちした体験を書く、

 

最後にその本から学んだことを書く、

 

みたいな感じでやればそれは立派な読書感想文になる。

 

2、単純なあらすじ紹介はあんまり書くな

あらすじってば書きやすいもんだからついついたくさん書いちゃう。

気づいたら自分の感想よりもあらすじのほうをたくさん書きすぎてる、

ってこともよくある。

 

「お前の思いはどこにある!?」

って先生に突っ込まれて再提出になっちゃうこともありうるから、

注意が必要だ。

 

単純なあらすじ紹介書くなら最初にせいぜい3行くらい。

全体として1割から3割くらいにとどめておくのがいいんじゃない?

 

大事なのは自分自身と物語の内容(場面、登場人物、セリフ)を対比すること。

内容を紹介するなら、それをダシにして自分の体験を書こう!

 

3、書けそうなテーマの探し方

「本読んだけど書くことがとくに見つからないよ」という人は、

もういちど後ろの方から読み直すといい。

 

分かりやすい(読みやすい)小説だと

オチの方に美しい言葉が転がってることが多いからね。

 

4、書いてはいけない地雷ワード

「楽しかったです」

「また読みたいです」

終わりの方で作文あるあるワードを書いてはいけない。

 

「けっ、ウソついてるんじゃないよ、こいつ」

って先生から思われる。

 

「いやいや、本当に楽しかったんですよ! 信じてくださいよ!」

と言ってもたぶん信じてもらえない。

「本当に」

という言葉は嘘つきでも使える言葉だからだ。

 

『本当に楽しかった』のなら、

その『楽しかった』気持ちを別の言葉で表現してくれ。

 

5、反則すれすれの読書感想文の書き方

時間がない、なんか書き方よくわからない、という人に許された

グレーゾーンの書き方である。

 

5-1、過去に読んだ本で感想を書いてしまう

読書に費やす時間が削減でき、非常にお得な方法だ。

 

よし、この方法で行こうと思った底のきみ。

ぱっと思い浮かんだ本がたぶん書きやすいホンダ。

それを手に取ってパラパラとページをめくり、

印象に残った場面をピックアップしていこう。

 

捨てちゃったならブックオフに行ってくるんだ。

たぶん100円で買えるからお得だよ。

 

ただし、課題図書が指定されていた場合はこの手段も使えないね。

 

5-2『○○○(本のタイトル) 感想』でググる

その本の感想をブログにアップしている人は必ずいる。

大体そういう人たちも印象的なシーンを中心に書いているから、

本のなかからその場面を探し出し、そこだけサッと読む。

 

で、ブロガーさんの意見を『参考に』自分の言葉で感想文を書いていく。

立派な読書感想文の完成だ。

 

これはあらゆるパターンで使えるから覚えておいてくれ。

 

 

5-3ズルして読書感想文を提出したことへの報い

「ネットから丸写ししてきたぜ」

「全部読んでないけど、感想書いたぜ」

 

という人は思わぬ落とし穴に落ちることがある。

 

教師によっては抜き打ちで『確認テスト』を行うことがあるのだ。

 

二号室殺害現場の第一発見者はだれか?

A,トム Bスミス夫人 C、アンジェ D、オチョワ

 

みたいな感じで物語の肝からほんの少し外れたシーンを四択で聞いてくるパターン。

 

読んだことのある人間なら、

仮に忘れていても4択だから思い出せる。

 

読んだことない人は脂汗を書きながら当て勘に頼ることになる。

私は中学とか高校でやられたよ……。

 

課題図書の場合、

教師側が何をしでかすか分からないから注意が必要だ。

 

6、個人的にお勧めの本

小学生とか中学生にはここら辺がおすすめ。

 

アンネの日記 (文春文庫)

アンネの日記 (文春文庫)

 

 

 

ユダヤ人のアンネ・フランクが家族とともにナチスの魔の手から隠れる実話。

実話だけあってハッピーエンドではないが、それだけに心に残りやすい。

 

この二冊を買って漫画を読んでから活字オンリーの方をパラ読みする。

あとは戦争によって人の命が奪われることについて思うことを書けばいい。

体験の部分は自分の祖父母の話をきいてそれを織り交ぜたりするのもいいんじゃない?

 

小学校教師がウケそうな本。

 

中高生はここらへんかな?

 

空中ブランコ (文春文庫)

空中ブランコ (文春文庫)

 

 空中ブランコができないサーカス団員、

ドスを持つことが怖い先端恐怖症のヤクザ、

風変わりな患者たちを風変わりな精神科医・伊良部一郎が

素っ頓狂なアドバイスで立ち直らせていく物語。

 

この小説は短編集だし下ネタとか適当さもあって読みやすい。

女流作家っていうパートでは最後のオチの方に拾いやすいフレーズがあった気がする。

 

アニメ化もしてたんだよ。

 

 

キッチン (角川文庫)

キッチン (角川文庫)

 

 女子とかはこっちのがいいかな?

 

天涯孤独の大学生みかげ。

同じ大学の雄一の家に居候することになる。

おかまバーを経営する雄一の母・えり子は父・雄司でもある。

 

性描写もなく、すっきりしてるから安心して読める。

えり子が自立について語る場面は

読書感想文ですごく書きやすいからおすすめ(動物を買ったことがある人は)。

 

 

こんな感じだ。

読書は人を豊かにするっていうが、

そんなことばかりでもないから注意が必要だぜ!

 

エログロとか残酷な殺人描写とか偏った思想とかを読み取って

ダークサイドに堕ちる人も珍しくないんだからな!

 

ちなみにヒトラーは美大志望だったなか、

ある一冊の本に出合って思想が目覚めてしまったって話だぜ!

 

涼しい部屋でいい本を読んで、

涙を流したり、

ふふって笑ったりしようね!

 

おしまい